スキャプラ (Scapula) 初動負荷に取り組んで見て起きた変化!体験談

①SCA・BACKS 4D-2000 について

Scapulaは日本語で肩甲骨を意味する。このScapulaは肩甲骨、肩甲骨周辺の組織を高めることができる。
肩甲骨は鎖骨と肩鎖関節をつくり、鎖骨は胸骨と胸鎖関節をつくる。この一帯を肩甲帯もしくは上肢帯と呼ぶ。
SCA・BACKS 4D-2000はScapulaの片側を表している。このScapula片側を使用するにあたり、立位で上肢をリラックスした状態から鉛直線上に運動側の片側の上肢をあげ、前腕に緊張をつくらないようハンドルを固定・holdする。次にハンドルを固定・holdしたまま座位の状態をとる。この時の運動側の前腕は中間位・neutralである。そして、運動側の股関節は伸展させ下肢を後方へ移動させる。運動側でない反対の片側はリラックスした状態にする。また、初動負荷理論の定義から「弛緩‐伸張‐短縮」の一連動作を促進させるため、筋は弛緩した状態から運動を開始するべきであると考えられる。そのためカムボックスは本来、下方に位置している状態から運動を開始する。カムボックスが下方にある位置では運動側の肩関節の内旋、前腕の回内、手関節の背屈‐総称してDodge Movement(かわし動作)の状態にあり、緊張を生まない状態をつくることができる。
次に初動負荷カムマシーンによりカムボックスが下方から上方に移動したとき、片側の運動側の肩甲骨は上方回旋、外転、挙上した状態にある。このときの片側の運動側の肩甲骨に関与する筋は弛緩から伸張へ移り感覚受容器である筋紡錘が筋の伸張を感知し、脊髄レベルでの単シナプス反射(1つのシナプスを介して起きる反射)が起きる。そして随意運動とともに肩甲骨に関与する筋群が短縮し肩甲骨の下制、下方回旋そして内転をコントロールしながらカムボックスを下方へ移動させていく。

また伸張‐短縮の動作が切り替わる際に運動側の肩甲骨に関与する筋が短縮することでカムボックスを下方に移動させ、カムボックスに下方へ移動する慣性をもたらす。またカムボックスのハンドルが回転・driveすることで負荷が漸減する。それにより、中枢神経系から筋に送られる信号と、筋から中枢神経へ送られる信号に変化が生じる。よって動作の途中で負荷が漸減した場合は加速要素を生み出すことに繋がり、動作の単位時間が短く変化し速度は大きくなる。上記したカムボックスの慣性やカムの移動が加速することで筋は弛緩相を獲得することができる。そして、カムマシーンによりカムボックスが下方から上方へ移動することにより上下動の反復が行われている。
カムボックスの2軸回旋により肩甲骨、肩関節の本来持っている自由度を獲得することができる。そのため、肩関節の内旋、前腕の回内、手関節の背屈‐Dodge Movement(かわし動作)を実現することを可能としている。そして、以上のことからScapulaは肩甲骨周辺の筋(近位)の動きから末端(遠位)の活動を促進させることや反射機能を高める要素を引き出すことができる。
Scapula両側とScapula片側では、Scapula両側では両側の上肢を使い、Scapula片側では運動側の上肢を使うことが異なる点である。また、Scapula両側ではScapula side lift等の下肢の股関節を伸展、内旋させるポジション変化ができ、Scapula片側ではScapula side等の重心位置やポジションを変化させることができること等が考えられる。

参考文献
小山裕史(2005)『初動負荷トレーニングによる野球トレーニング革命』ベースボールマガジン社

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