初動負荷 トレーニング 乳酸について




乳酸については1990~2000年にかけて疲労物質ではないと証明された。以前の考えでは無酸素運動で乳酸が産生されるとされていたが、無酸素運動はない。100m、200m等の反射系の運動でも無酸素運動ではなく酸素を取り込んでいる。また一番長く運動を続けるためには脂肪をエネルギーに変えることであるが、運動強度が強いときに脂肪を使うことは負担となるため、糖が使われている。また、運動強度が強くなるときに、血中乳酸濃度が急激に上昇する。このときは糖を使い始める瞬間と考える。そして、この乳酸値が急激に上昇する地点はAT・LT(Anaerobic Threshold ・Lactate Threshold)「少なくとも30分以上余裕を持って運動できるか」という境目の運動強度とされている。また乳酸閾値とも言う。この運動強度が強いときに速筋繊維にて乳酸が産生され、次に遅筋繊維に運ばれ使われる。このことを乳酸シャトルと呼ぶ。脂肪がエネルギーに変わるときには乳酸を発生させることはなく、解糖系で産生する。また中間筋は解糖系・乳酸系に適している特徴がある。
トレーニングの量についてはトレーニングの強度、時間、頻度の積として定義することができるとされているが、ここにトレーニングの質を取り入れる観点が大切になる。
初動負荷トレーニングは有酸素トレーニングであり、無酸素トレーニングではない。さらに、4次元動的ストレッチ運動である。
インナーマッスルとは捻り運動を行っているものを表し、SCAPULAのリフトでは上半身の運動を行っているにも関わらず下半身にも筋活動が起きている。そして神経筋制御、神経筋協応能、脳が介在する反射・反応を高めることを可能にしている。
SCAPULAのリフトでは上半身を捻ると下半身にも反応が出るように神経筋の反応がみられ、リフトにおける下肢の反応が起きていたと考えられる。インナーマッスルと脳の関係は、骨盤周辺の神経について現代医学では分かっていないことも多いため今後分かってくる。
有酸素運動は健康に良いと言われている。心臓も筋からできており、特に左側は影響を受けやすいため心筋肥大もしやすい。(マラソンのトップランナーは心筋が薄い)
倒れた高齢者に一般的な筋力トレーニングを勧めると、転倒が増加することが知られている。一方、初動負荷トレーニングではそのようなことは起きない。なぜなら、神経筋機能、脳の作用で筋が動きその作用を高めているためである。また初動負荷トレーニングでは心拍数が上がらないが末端への酸素供給が合理的かつかなり高いため、このことが血圧の上がらないことに繋がっている。
静的ストレッチを20秒間行うと筋力は3割減少する。これは、血中にあるピルビン酸が吸収され、枯渇化状態になるからである。
脳血管障害、機能障害の方は連鎖的な捻り運動が制限される。初動負荷トレーニングの運動形態では脳が高まろうとする周波数と近い反応が起きているという仮説が立てられるところまで研究がきている。
酸素はヘモグロビンと結合し運搬される。ミオグロビンは赤色の色素タンパク質である。
初動負荷トレーニングでは記憶を司る海馬にも機能改善がみられ、短期記憶が高まることが明らかになっている。また捻り動作を介在しないと脳は拒絶反応を示す。一方で低負荷の次元の高い運動では海馬が発達する。さらに、スポーツ様式によってバランスを司る中脳、小脳、基底核へ与える影響は異なってくる。
加齢とはsarcopenia(骨格筋質量の低下)が起き、白筋の委縮が進むとされている。膝関節伸展力は20歳ごろから筋力は低下し、60歳では若者の約60%との報告がある。しかし、加齢による筋力低下はsarcopeniaの差とは無関係との報告もある。神経系との関わりが大きい神経筋協応能(optimal coordination)の低下、神経筋機能の抑制などの神経系との関わりが大きい。また通常の筋力トレーニングによって行われた筋機能向上が高齢者の日常動作能力の改善に必ずしも結びつかないとの研究報告も多く、低張力発揮時のsteadiness (力調整安定性)の低下が加齢の特徴だと考えられている。針に糸を通す、歩行時に指にうまくのる等の低張力動作が低下し高齢者の転倒に繋がる。
高齢者の方は、ゆったりとした動作をとることは難しいが、初動負荷トレーニングを行ったあとではゆったりとした動きができている。このことは脳での変化が起きているからである。

参考文献
小山裕史(2014)『希望のトレーニング』講談社

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