Citi ResearchのRobert Buckland氏、近年の相場ではバリュー投資家に恩恵が少ない

 

CNBCがDavid Einhorn氏の今年の絶不調にひっかけてバリュー投資について書いている。
2つ興味深い点がある。

1つ目はCiti ResearchのRobert Buckland氏のレポートを紹介した部分だ。

 

強気相場が進むにしたがい、通常勝つ銘柄は高成長のモメンタム株に絞られていく・・・
これは通常グロースとモメンタムの売買に有利に働き、過去にはバブルを生んできた。
これがバリュー投資家の職を危うくする。

 

特段目新しいことではない。
景気・市場サイクルの終期、金融緩和がまだぎりぎり効いている時期、株式市場は最後のひと上げを見せることが多い。
このひと上げでの主役がバリュー株でないことはよく知られた話だ。
ここでの主役はグロース株またはモメンタム株である。
実際、足元で米市場はこの性格を強くしているところだ。

だから、バリュー投資でロング/ショート戦略を実践しているアインホーン氏が不振を極めるのも自然ななりゆきなのかもしれない。
同氏の戦略とは、バリューをロング、グロースやモメンタムをショートするような性格があるからだ。

CNBCの記事は、もう1つ興味深い昔話に触れている。
Julian Robertson氏が率いたヘッジ・ファンドTiger Managementの記憶である。
ヘッジ・ファンド界の古株だった同ファンドは1997年には世界第2位のファンド規模にまで拡大したが、2000年に資金を投資家に返還して店じまいしてしまった。
ドットコム・バブル崩壊の直前のことだった。
ロバートソン氏は的確にドットコム・バブルを予期し、短期的に儲かるとわかっていてもテクノロジー株への投資を行わなかった。
結果、バブルの上げ潮の恩恵を得ることなく、アンダーパフォーマンスを甘受することとなり、さっさとファンド閉鎖を決意したのだ。

この状況がすぐに終わるような兆しはまったく見えない。
・・・
合理的な環境なら、この戦略はうまく機能する。
しかし、企業収益と価格の関係がマウス・クリックやモメンタムに劣後するような不合理な市場なら、私たちが学んだように、そうした(バリュー投資の)論理にはたいした価値がなくなってしまう。

 

バブルがいつ終わるかはわからない。
同じように、バブルでない強気相場がいつ終わるかも正確に予見することは不可能だ。
予想ができないことを受け入れた上で、ロバートソン氏は2000年3月にファンドを閉鎖した。
NASDAQ総合指数が終値ベースでピークを打ったのは同月10日である。

CNBC記事は「歴史は自ずと繰返すかもしれない」と結んでいる。

おそらく近々、調整相場が来るのだろう、、

 

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