利上げ判断で「誤算」=市場に白旗-米FRB

【ワシントン時事】米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は30日、利上げを停止する可能性を示唆した。

わずか数週間前は引き上げ継続に強気の姿勢を見せていたが、景気減速リスクを懸念した金融市場の動揺が誤算となった。市場に白旗を揚げた格好となり、パウエル議長のかじ取りに不安を残した。

「昨年末に市場で資金が逼迫(ひっぱく)したことを考慮した」。議長は金利据え置きを決めた後の会見で、今回の方針決定について昨年12月の政策会合後に株価が急落したことなどを踏まえた判断だと明らかにした。

議長は12月、「米景気は強い」と今年2回の利上げシナリオを示し、金融引き締めをもたらす資産圧縮策の継続も明言。世界経済の減速や米中貿易摩擦を懸念し、引き締め停止を期待する株式市場を落胆させた結果、世界で相場の混乱を招いた。

それから1カ月余りの今回会合では「景気見通しは良好だが、この数カ月間は逆風に直面している」と説明。英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる不透明感、原油安によるインフレ低迷など、追加利上げに対するハードルは高くなっている。

金融市場が織り込む「年内利上げなし」の割合は約8割に達し、一部は利下げを見込んでいる。こうした中、FRBは「利上げの根拠はいくらか弱まった」(パウエル議長)と、市場に促される形で軌道修正に追い込まれた。

「市場を感じろ。意味の無い数字を信用するな」。トランプ大統領はFRBの利上げに露骨な批判を繰り返してきた。議長は、政策決定では「決して政治を考慮しない」と強調するが、一貫性に欠けるとも受け止められかねないFRBの政策説明は、政治に隙を与え、FRBの独立性を脅かしかねない。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190201-00000002-jij-n_ame

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