ベーシックインカム導入すべき:ホリエモン

日常生活

 

 

人工知能(AI)の発達で20年以内に2人に1人が失業すると予測されている。仕事がなくなった人々の所得をどう保障するか。すべて人に無条件で毎月一定のカネを直接配る「ベーシックインカム」というシステムが考えられている。働かなくても食べていけるということか。提唱者には、アメリカ大統領候補だったヒラリー・クリントン、フェイスブック創設者のザッカーバーグらがいる。ホリエモンの堀江貴文もその一人だ。

すでに実験的に導入している国があった。フィンランドだ。高福祉の国だが、貧困者向け食料配給の長い列があった。昨年(2016年)の失業率は8.8%で、一度貧困に陥るとなかなか抜け出せない。行政審査の手間もコストも膨大になる。ベーシックインカムは審査も手間も要らない。毎月約7万円を失業者2000人に支給する。社会保険庁のオッリ・カンガス氏は「われわれが形作ってきた社会保障制度が未来にわたって通用するのか、疑問が投げかけられているのです」という。

ベーシックインカムを受給しているマリ・サーレンバーさんは小学5年生の息子を育てるシングルマザーで、昨年10月に失業した。「毎日が不安でした。教育費や生活費を払うことで精一杯で」。国から8万円の失業手当をもらっていたが、再就職すると失業手当は減額される。ベーシックインカムの7万円は無条件なので、仕事に就いても変わらない。サーレンバーさんは印刷所とスーパーの掛け持ちで働き、最終的に月額22万円を得て、苦しい生活から脱することができたという。

スイスは国民投票で導入否決
ベーシックインカムの実証実験は自治体やNGOによって世界の17の国や地域で行われている。ポルトガルのリスボンで開かれた国際会議に、過去最多の34の国と地域から研究者など500人が集まった。「ただでおカネを配ることの是非」をめぐって議論は白熱した。主催した団体のメンバーは「長年研究してきたが、こんなに盛り上がったことはありませんでした。ベーシックインカムは今後も飛躍的に広がっていくでしょう」と語る。

スイスは昨年6月、ベーシックインカム導入の賛否を国民投票にかけた。社会保障の一部を廃止し、消費税8%を上乗せして財源を確保するという内容で、反対76.9%、賛成23.1%で否定された。経済学者は「現実的ではないと受け止められた」「増税を嫌った」と分析した。「スイス人が大切にしてきた勤勉さが失われる」と考える人も多かった。

ベーシックインカムのメリットは(1)最低限の生活の保障(2)行政コストの削減(社会保障の申請・審査は膨大)である。デメリットには(1)巨額の財源の確保(2)働く意欲の消滅の懸念がある。

みんな働くなる?暮しは安定?
パトリック・ハーラン(タレント)「アメリカ人はおカネを与えたら働かなくなると考える人が多い。アラスカ州では昔から豊かな地下資源の売り上げから州民に一定額を配っています。大人気の理由は財源が税金じゃないこと」

ハワイ州はアメリカで初めてベーシックインカム導入を明記した法律を成立させた。AIによって仕事を奪われるとされるホテルの案内係、土産物店の店員、運転手などに対応する必要に迫られたからだ。州議会は来月にもワーキンググループを立ち上げる予定だ。

堀江貴文は5人に毎月10万円を支給している。「一向に議論が進まないので、見せてやれみたいなつもりで」という。その1人、氏家幸大さん(28)はアフリカで気象観測の会社を立ち上げるのが夢で、今は観測用のグライダー作りをしている。「生活の心配がなくなり、やりたいことが加速した。サブサハラ地域に観測機器、2万か所を設置したい」

取材をした豊永博隆記者は「日本ではひとつの会社に長く働くことが多いですよね。自分のやりたい仕事は何なのかを考える入り口にさしかかっているのではないでしょうか」と提起した。

出典:
https://www.j-cast.com/tv/2017/10/28312312.html?p=all

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