「自分は会社勤めに向いていないのかもしれない」 こんなことが頭をよぎったことはあるだろうか。考えすぎなだけなのか、それとも根本的に何か別の原因が……?このように思い悩むには、それなりの理由があるはずだ。 原因がわかれば対策を考えられる。新天地へと旅立つことにつながるかもしれないし、逆に現在の会社での付き合い方を見直すことになるかもしれない。 今回は会社という組織に合わない人の特徴や、そうした人に適した働き方の選択肢について考えてみる。まずは自分自身を見直してみるところから始めよう。
そもそも会社とは?組織とは?
会社で働くってどういうこと?
そもそも会社とは一体何であるのか?会社が存在する理由から紐解いてみたい。
まず会社を一言で述べるならば『世の中に価値を提供し利益を生み出すための組織』と言えるだろう。
会社は法人とも言い換えられ、「わが社は……」「御社は……」という風に一つの人格のように扱われる。
仮に会社が一人の人間であるならば、その内部で働く社員は会社を成り立たせる細胞の一つと考えることもできるだろう。一つ一つの細胞が私たち人間を形成するように、組織もまた様々な役割を担う人たちが集まることで構成されている。
ただ細胞と異なるのは、私達人間にはそれぞれの個性があることだ。様々な個性がぶつかりあうことは、新しい価値を生み出す起爆剤となることもあれば、ストレスや不平不満が発生する原因にもなる。
会社員に向いていない人の特徴
あなたはいくつ当てはまりますか?
人それぞれ価値観が異なるため、「働く」ということに関しても捉え方が異なる。中には会社で働くことに向かない人もいる。では、「どのような考えを持っている人が会社に適していない」のだろうか。
あえてネガティブな思考で考えてみよう。
古い慣習や決められたルールに馴染めない
会社で働くうえでは少なからず “馴染む”ことが求められる
まずは合理的にものごとを考えてしまうタイプ。例えば上司や先輩に「こうであるべき」と言われたことに対して、「何故そうあるべきなのか?」と疑問を持ってしまう人は相手からも煙たがられやすい。
場合によっては「なぜやるのか?」という単純な疑問が反抗や屁理屈とも捉えられかねない。そのような人が上司や先輩でいた場合、特に仕事に合理性を求めるタイプは、日々の業務全般にストレスを感じるようになってしまうだろう。
「常識に囚われない新しい価値観を持つ人を募集中!」
採用記事にそんな言葉が踊っていたとしても、実際に入社してみたら古い慣習に縛られた社風で息苦しい……なんてことも少なくない。そこまでいかないとしても、やはり会社に属して働く以上、そこに馴染むことが求められる。
非効率や無駄が耐えられない
組織が大きくなるほど雑務が増えることも……
次に非効率な作業や、無駄の多い取り組みをだまって見ていられないタイプ。組織は大きくなればなるほどポストが増え、役職も増えてくるものだ。
レポートラインや管理者が増えるということは承認までに必要な書類が多くなったり時間がかかることにつながる。大きな組織では形式だけの無駄な作業が増えることで、仕事に関係しない雑務への時間も必要となる。
またルーチン作業など日々時間を取られる作業などは極力効率的に動きたいものだが、世の中には言われた通りにものごとをすすめることに何も疑問を感じない人もいる。
それどころかアドバイスや改善案を出して嫌な顔をされた人もいるのではないだろうか。
仕事に100%の力を注ぎたいという人は、ストレスがかかるだろう。
群れるより個人を好む
個人プレーで実力を発揮できる人も少なくない
集団で行動するよりも個人でいることを好む人も会社生活には向かないかもしれない。
スポーツにしても野球やサッカーよりも陸上競技や水泳などを好んでいる人は特に当てはまるのではないだろうか。
冒頭で述べたとおり、会社は役割を分担しチームで活動することが基本である。チームで連携することは、一人では生み出せない価値を創出できるというプラスの側面もあるが、意味や目的を見失った組織ではマイナスになることもある。
会社内で仕事をしていても、こちらの都合は御構い無しに上司に呼ばれたり内線が鳴ったりと強制的に手を止めさせられ、集中しきれない経験をした人も多いのではないだろうか。
また社内には目的と手段が逆転している人もいる。重要事項を伝えるための会議のはずが、会議を行うために議題を作り出してくるというケースだ。
声をかけることや集まること自体を重要視している職場では自分のペースが作れずにフラストレーションが溜まってしまうだろう。
理不尽には耐えられない
会社員として働く以上、理不尽なこともある
会社という組織においては、会社の事情で理不尽な決定がなされることも珍しくない。
「上層部の決定だから」「今回だけは我慢してくれ」という言葉をすんなりと受け入れられるだろうか?こうしたことを受け入れがたいという人も組織には向かないだろう。
それはスタンスの違いや何を見て仕事をしているのか、いわば価値観が関係しているといえる。
例えば会社での出世や長く続けていこうと考えている人には、1つ恩を売ったと考えることもできるだろうが、担当しているクライアントを見て仕事をしている人からすれば納得できる要素は見当たらない。
会社都合の事情や曲がったことは許せない、自分の信念を強くもっている人には厳しい環境なのではないだろうか。
「政治」に嫌悪感を感じてしまう
多くの人が関わる以上、政治的なやりとりはつきもの
会社には仕事以外の重要(と考えられている)事項も山ほどある。仕事は仕事、やることをやっておけば問題ないというストレートなタイプもまた組織では生きづらいタイプの一つだ。
同じことを頼んでもあの人なら良くて、あの人は駄目という光景を見たことがあるかもしれない。
飲み会への参加や、休日のお付き合い、何かを行う前の顔通しなど業務には直接関係ないものが重要だったりするもので、こうしたことが後々の仕事のすすめやすさや、評価につながることも少なくない。
もちろん先輩も上司も人間、可愛くない部下よりも可愛げのある部下を目にかけたくなるのは当然だろう。ただ、やはり職場である限り仕事の結果で判断してほしいもの。
こうした思いが強く持っているは一匹狼化していくことになり、ますます組織で浮いてしまうことになるだろう。
転職?起業?フリーランス?会社員に向いてない人はどうすればよいのか
「それでも転職」は選択肢の1つ
もしかすると今の会社があっていないだけかも?
働き方改革というキーワードが示すとおり、様々な企業でワークスタイルや雇用条件が見直されてきている。
前述までの「会社員に向いていない人の特徴」では、あえて悲観的に会社を捉えて解説したが、もちろん該当しない企業もある。
ベンチャー企業などフットワークが軽くスピーディに意思決定できる組織では、人材確保や定着などを目的に多様な人達が働けるように独自の制度が取り入れられてきており、評価制度や上司のマネジメントスタイルも従来とは大きく異なってきている。
もし会社にあわないと感じても、もしかしたら『今の会社』にあわないだけかもしれない。経営方針や働き方、評価制度等の会社の仕組みが自分にあう企業があれば、異なる会社で働くという選択肢も生きてくる。
まずは、少し時間をとって企業探しをしてみても良いかもしれない。
起業やフリーランスの道での独立も意外と身近な選択肢
何度か転職をしてみたが、やはりいつも同じような壁にぶつかってしまうという人は、フリーランスや起業という選択肢を頭に入れるのもいいだろう。
「自分がフリーランスなんて無理……」と、臆病になる必要はない。前述した「会社員に向いていない人の特徴」は、「起業家やフリーランスに向いている人の特徴」と言い換えることもできる。
会社員として感じてきた「違和感」を自分自身の「強み」と変換して捉え、働きながら少しずつ独立の準備を始めてみよう。
例えば、独立後の業務を見据え、資格取得や講座に通うなど自身のスキルアップを行うことに時間を使うことは重要だ。
一緒に働けるパートナーや顧客となりえる人々とコンタクトをとるなど人脈作りに時間を使うのも良いだろう。また、起業やフリーランスという働き方が自分に合っているからといって、最初からうまくいくとは限らない。運転資金を貯めておくことも大切だ。
まとめ
私達は生活の多くの時間を働くことに割り当てている。働くことを考えることは、生きることにつながる。まずは自分自身がどのように生きていきたいのかを考えることからはじめてみよう。
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